がらくた

双極性障害と、本と映画と、日常と、小説ポエム書いて非日常へと。

原作好きでもドラマ版プリズンホテルは良かったけどなー

浅田次郎のプリズンホテルの文庫を読もうと思ったのに、どういうわけかドラマを発見し、視聴。

 


原作はとにかくスカっとしたいときに落ち込んだときに読むと良い本だと周りにおススメしている。

 


ドラマ……原作ファンはこれ、何て言うんでしょうか笑

よくありがちな、原作のほうが良かったって言う人もいるのかもしれないけれど、私はこっちも全然ありかなって。

たぶん、原作と離れて観たほうが面白いと思う。

例えば原作は1993年から1997年に発売されたもので、ドラマに出てくるオレオレ詐欺なんてまだなかったけれど、そういう犯罪者がこのホテルに泊まりに来ても違和感ないし。

原作の雰囲気を少し守りつつ、ちゃんと現代風にしているのがなんだか楽しかった。

途中、このシーンなんだ!?と思う箇所もあるけれど、まぁそこは肩の力を抜いて観れるからいいんじゃないかと思った。

 


あと、ナベ長の正体はやっぱり泣けてしまう。

これは原作にもあって、浅田次郎ってやっぱり泣かせのストーリーは本当に上手だなって思ってしまう。

 


あと、黒田を演じていた菅田俊さんが男気があってカッコ良すぎる…。

黒田のイメージぴったり。

 


これ、BS11というなんてマイナーな場所で放映していったのだろうと失礼なことを思っていたら、実際には映ってないけれど、黒田が新井に鉄拳をくらうところとか、新井の無免許運転とか、全くファッションではない極道ゴテゴテの刺青が出てきたり、たぶん地上波でコンプライアンス!って拒絶されっぱなしのシーンがいっぱい出てくるからかなと思った。

プリズンホテルはめちゃくちゃなところが魅力的なので、マイナーな場所でもいいから、どんどんやってほしいと思った。

 

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意外にBS放送って良いのがあるって思った

竜馬の妻とその夫と愛人 が 記憶にございません! よりも全然面白いじゃんって話【もちろんネタバレあり】

 

最初はちょっとダレていて、つまんないかなーと思えてきたのだが、中井貴一が取り乱して熱くなっている姿と、見事にやる気のないノリさんとの掛け合いが面白くて、思わず笑ってしまった。

 

鈴木京香はしぐさのひとつひとつが色っぽくて、役でもそうだったけれど、これぞ魔性の女という気がした。

龍馬の妻である誇りの高さと度胸の高さをすごく感じた。

江口洋介もカッコいいかと思いきや、どんどんカッコ悪くなる姿を作るのが上手いなと思った。

 

 

あやふやな記憶なのだが、最後のシーンはノリさんのアドリブで三谷幸喜が「俺が良いセリフを書いたようで嬉しい」って言ってたが、ネットで調べてもどこの部分か分からず、まさか、「俺生きてっから!」の部分がアドリブだったら、恐ろしいアドリブだなと思った。

そしてあのセリフになぜだか泣きそうになった。

セリフ自体は大したことを言っていないのに、言葉以外の伝わるものがあったのだと思う。

 

 

三谷幸喜脚本のちょっとしたトリックも結構面白くて好きだった。

ネットのレビューを見たら、評価はあまり良くはなかったが、「記憶にございません」が私の中ではあまりにも酷いと思ったので、すごくましに…見れました。

 

プライムビデオに入ってなくて、課金しちゃったけれど、価値はめちゃくちゃあります…。

 

 

 


 

 

 

 

 

blank13が良過ぎた話を聞いてくれ【ネタバレあり】

実話だからこんなこと言いたくないけれど、話自体は面白くないです…。
ただ、無駄なセリフがない脚本。
声がない分、退屈になりそうなタイミングで、過去を振り返ったシーンが入ってくるので、退屈しませんでした。
音楽や回想のシーンが効果的だった。
高橋一生リリーフランキーが屋上で対峙するあの距離感がなんとも言えない。
タイトルのタイミングも好き。
あと、相変わらず高橋一生の演技はいい。表情を変えないのに、微妙な変化を感じる。
お葬式の最後に斎藤工の表情が柔らかく感じたのは私だけ?

テレビの対談で、確か、僕らの時代って番組だったと思うのですが、斎藤工北野武監督のキッズリターンが好きで、北野武監督のイメージと言えば、無駄な台詞がなくて、間や表情、雰囲気に重きを置くイメージだったので、それに憧れて作ったのかと推察。
ちなみに、私は北野武の映画が大好きなので、雰囲気というか、作風が似ているこの映画がなおさら好きなのかもしれない。

レビューで、学生映画みたいとも書かれていたが、青臭い映画だとしても、その青臭さも好きなのかもしれない。

とにかく、脚本と演出が素晴らしい作品でした。

 

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夏目漱石のこころを読んで 34歳編 【ネタバレあり】

過去の記事
mongoya.hatenadiary.com

 

そして、現在の私が読んだ感想。

まず初めになんでこれを手に取ったのかというと、kindleで無料という理由もあるが、その前に夏目漱石の「明暗」を読んでいて、夏目漱石の文章ってあっさりしていて読みやすく、登場人物のせりふも何気ない日常のことばかりだけれど、読んでいるこっちがはっと思わされるような、演劇を観ているようなせりふが多くて、なんだか魅力的だなと思った。

そこで、夏目漱石をもっと読んでみたいと思った。

Kも先生も自殺するというオチを知っているので、次に読むときはきっと違った発見ができるだろうと思い、また読むことにした。

 

まず、「先生と私」を読んだ感想。

ここにも書いたが、Kという友人を自殺に追い込んでしまっただけで、そんな偏屈になる必要がないじゃんと思ってしまった。

私(あ、書き手の私ね)の性格は、過ぎたことをクヨクヨする人が大嫌いなので、読んでいて先生の態度にイライラをしてしまう。

ここで気づいたことが、書生である私が先生と正反対で出会っていることだと思った。

私はまだ恋も知らないし、書生で世の中も知らないし、若いから経験も少ない。

それに反して先生は恋というものが人をどれだけ狂わしてしまうのか恐ろしいいものだと知っているし、叔父の裏切りを経験して故郷を捨てたこと。

この正反対のふたりが出会って、どんな科学反応を見せるのだろうかというのも見どころだと思った。

 

そして、「両親と私」

実家に帰った私が、病臥がいる父親に対しての描写。

「もうじき死んじゃうかな?」と読んんでいる私はそう思いながら、でも、なんとか生きている父親。

実はこれも、自ら死を選ぶ先生、生きたいけれど死が迫っている父親との対比が実はなっているのだろうなと思った。

そして書生の私が学校を卒業して将来に向かおうとして先生に頼ろうとした矢先に先生からの長い長い手紙が来る。

何度も思うのが、あの手紙を実際の量にしたらどのくらいなのだろうかと思う。

あと、明治天皇崩御が後々になってちょっとした伏線になっていた。

 

「先生と遺書」は、やっぱり、Kが自殺してから、その後の流れはドキドキしながら、一気に読んでしまった。

そのくらい夢中になった。

先生の弱さ、これは先生だけではなく、人間誰しもがある弱さをすごく浮き彫りにしていると思った。

例えば、

 

私は好んで自分の弱点を自分の愛人とその母親の前に曝け出さなければなりません。

 

それが私の未来の信用に関するとしか思われなかったのです。結婚する前から恋人の信用を失うのは、たとい一分一厘でも、私には堪え切れない不幸のように見えました。

 

この部分は共感できる人がたくさんいるのではないかと思う。

そのぐらい人間の心とは弱いものだと思った。

 

そして、Kの自殺により孤独の影にいつも付きまとわれるようになった先生はKが自殺した原因を考える。

それは、失恋のためだけではない。

 

たった一人で淋しくって仕方がなくなった結果、急に所決したのではなかろうかと疑い出しました。

 

そして、なにより私がとても恐ろしいと思ったのが次の一文である。

 

私もKの歩いた路を、Kと同じように辿っているのだという予覚が、折々風のように私の胸を横過り始めたからです。

 

夏目漱石は「坊ちゃん」や「我輩は猫である」のイメージが強く明るい作家と思われがちだが、結構恐い作品があると聞いたことがある。

まさにこれがその通りだと思った。

最後に少し出てきたのが、明治天皇崩御されたのなら、俺は殉死と言った部分があるが、明治天皇というより、時代の終わりに殉死したのではないかと、思う部分もあった。

 

「こころ」は人間の弱い部分、恐い部分、孤独な部分、ありとあらゆる部分を描いていて、すごくドロドロしているのだけれど、誰にでもある部分で共感せざるおえないと思った。

 

と、34歳になった今の私は感じるようになった。

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夏目漱石のこころを読んで 中学生編【ネタバレあり】

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前のブログにも書きましたが……

 


中学生のとき以来に読んでの夏目漱石

ここで、中学生のときに読んだ感想をちょっと振り返ってみようと思う。

 


とにかく当時は読んでいるこっちまでもがブルーになっていた。

「先生と私」の書生である私と先生との交流では、先生の淡い水彩絵の具のようなブルーのオーラがある人だなと思った。

思春期で、色んなことに憂鬱を感じていた中学生の私は、そんな先生と自分の姿を勝手に合わせて、先生が魅力的な人に感じていた。

 


次の章の「私と両親」は、お金、家族、裏切りと言った内容だが、中学生の私はまだ、誰かに裏切られたという経験がなく(もしあったっとしても、今の私からたかが知れているものだし)、ましてや遺産相続という問題にも今だって当たったことがないので、当時の私にはここの章はまるで記憶がない。

 


「先生と遺書」では、とにかくKの自殺がショックだった。

先生が今の妻であるお嬢さんと婚約してしまい、Kはその失恋のショックで自殺してしまった。

中学生の私からしたら、かなりショッキングな内容だ。

 


と以上が中学生のときに初めて読んだ感想。

今、読み返してみると中学生にはかなり難しい内容のような気がする。

特に「私と両親」のところは。

確か、「こころ」は中学の推薦図書だったような気がしたのでとりあえず読んでみた気がするのだが、この内容を理解できたり共感できない私が幼いのか……。

 


そして、現在の私が読んだ感想。

まず初めになんでこれを手に取ったのかというと、kindleで無料という理由もあるが、その前に夏目漱石の「明暗」を読んでいて、夏目漱石の文章ってあっさりしていて読みやすく、登場人物のせりふも何気ない日常のことばかりだけれど、読んでいるこっちがはっと思わされるような、演劇を観ているようなせりふが多くて、なんだか魅力的だなと思った。

そこで、夏目漱石をもっと読んでみたいと思った。

Kも先生も自殺するというオチを知っているので、次に読むときはきっと違った発見ができるだろうと思い、また読むことにした。

補給

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女の子らしいものを補給したくて、そういうときは、オードリーヘップバーンを見るのに限る。

オードリーヘップバーンの生涯を、周りの人や本人にインタビューしたもの、映画作品を振り返る。

 

やはり、所作が美しい。

髪をかきあげるという、なんてことない動作も、見ていてうっとりする。

こういう上品な女性になりたい。

三島由紀夫の小説で、男が惚れる女は汚れた美しい女よりも、美しくはないが上品な女とあった。

オードリーヘップバーンは美しいけれど、私たちみたいな凡人でも、美しくなれる。

だから、オードリーヘップバーンを観て、研究したくなる。

こんなに上品で、妖精みたいで、笑顔が素敵で、無垢な人を見たことがない。

今どき、こんな女優がいるだろうか。

ふと、私の好きな夏目雅子を思い出す。

どことなく雰囲気が似ている。

 

私生活のオードリーは、映画の雰囲気とは違って、結構気が強いんじゃないかと思う。

自分の意思がはっきりしていて、こうと決めたらどんなことがあっても曲げない感じ。

女優は気が強いとやっていけないと聞いたことがあるから、なんとなく納得してしまった。

だから、二度の離婚もしてしまったのではないかと…。

 

晩年、彼女は今でいう劣化というものなのだろうが、でも、若いときの笑顔はちゃんとあって、アフリカの難民の子どもたちと本当に楽しそうに過ごしていると感じた。

それがとても救いと思った。

 

今は頭の中でムーンリバーが流れている。

久しぶりにティファニーで朝食を。を観たい。