がらくた

双極性障害と、本と映画と、日常と、小説ポエム書いて非日常へと。

エトランゼ

今、頭の中に浮かぶ言葉は、エトランゼ。
ただただ、エトランゼ、エトランゼ、と言いたくなる。

エトランゼは、高校のときの卒業公演でやった演目の題名で、今でもSUGIZOのRest peace and fly awayに合わせて、ブルーの照明が掛かり、登場人物ひとりひとりがせりふを言う、他人から見たら、青臭い高校演劇なのだと思う。
でも、私はたまに、あの高校演劇のオープニングを思い出す。
双極性障害になり、青春のほとんどを失ってしまったと思っている私には数少ないきらきらとした思い出だからかもしれない。

エトランゼは、異邦人、旅人という意味だ。
この言葉を頭の中でひたすら繰り返しているのは、もしかしたら、私はどこか旅に出たいのかもしれない。
あの音楽をイヤフォンから流し、どこかブルーの照明がかった、造られてもう二度とない世界を探してみたいのかもしれない。

そんな現実逃避なことを思ってしまったのは、恋人から、ふたりの関係に距離を置きたいと言われ、まるで死刑執行を待つしゅうじんのような気持ちで、狭い監獄から小さな窓を眺め、どこかへ行きたいという気持ちに似ているのかもしれない。

エトランゼ、エトランゼ。