がらくた

双極性障害と、本と映画と、日常と、小説ポエム書いて非日常へと。

踊り子号

先日、たまたま踊り子号に乗れた。

平日は1日2本しか運行していない為、たまたま乗れたということが、流れ星を見つけたような気分になる。

踏み切りで止まったときに、踊り子号が通過すると、にやにやしてしまうくらいだ。

この185系は私が物心ついたときから走っていたので、もう30年以上は走っている。

どこまでも広がる田畑を走る抜けいつも停まるはずの駅を汽笛を上げて通過するのが気持ち良くて特別な気持ちになる伊豆箱根線管内を走り、熱海を超えてから海岸線に沿って空に見守られながら走り、横浜辺りでビルを見上げ、都会の匂いを嗅ぎ、東京タワーとレインボーブリッジを追いかけワクワクしながら、まもなく終点東京。どなた様もお忘れ物なく。

とにかく、踊り子号が好きだ。

もしかしたら、一番好きな電車かもしれない。

また、「踊り子」というネーミングセンスがいい。可憐な乙女の可愛らしいヘッドマークで、全国を飛び回る正に踊り子のようで、新しい旅やワクワクした気持ちにさせてくれる。

 


そんな踊り子号、185系が来年引退するらしい。

白地に緑のラインが走った車両にもう乗ることができなくなるらしい。

座席も座り心地は良くないし、揺れも酷く、ところどころが傷んでいる。

汽笛は悲鳴のような無理矢理に声を上げている。

時代の流れ、というより、本当は引退するタイミングがかなり遅いほうだとも思うから、本当にがんばってたくさんの人を伊豆や都会に送ってくれた。

とにかく、寂しい。

何か、小さいときからの思い出がどこか遠くに行ってしまいそうな気がする。

 


そう考えると、踊り子号の汽笛がやけに悲しく聞こえてしまう。

わーん、踊り子号ううううう。

 

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