【詩】まだよく知らない君への手紙
いつもの帰り道
見慣れた住宅街の風景
いつも通りの変わらない寂しい夜
この間はその生贄になってくれて、ありがとう
深夜のくたびれた間接照明の辛ろうじた暖色の光
洗い過ぎて色褪せたTシャツ
湿気でくねくねと曲がった前髪
なにより、君は、初めて会う僕の手を取って
何かを乞うような目をしていた
君が欲しいものは分かっていたけれど、そんな醜いお前となんて誰が心中するかって、見下しながら笑っていた
自分の醜さを棚に上げておきながら
そんな顔と身体をして誰に愛されたいんだい?
こっちは相変わらず毎日、寂しい夜だよ
君はどうだい?
答えなんてない
街頭のオレンジの光は孤独色
もしかしたら、毎日理由なく寂しいなんて叫んでいたのは、僕だけかい?
君もみんなも、本当は毎日寂しさに食い殺されないように
無駄な時間を過ごして空白を埋めてゆく
ただ、言葉にしないだけで
僕もみんなと一緒だっかたらいいな
孤独を感じているのが僕だけだったら、それは孤独だな
君の返事を待っているよ