2020-02-03 季節と花 小説と詩 色をなくした樹々と街は 冬の最中を思わせる 乾いた風は 低い斜陽を見上げれば 寂寥の太陽の燃えるさま 蝋梅はこんなにも強く咲いているのに 桜舞う待ち焦がれた春に涙を覚える 待っても、暗い闇に桜がひっそりと咲いている そこには誰も待っていない 暗くて明るい季節よ 梅と桜、冬と春 どちらも寂しくて孤独で どの季節にいても花も慰めにもならず だけど、季節は目の前で巡り、花は咲く そしていつかどこかの季節と樹の下で逢おう