夏目漱石のこころを読んで 中学生編【ネタバレあり】
- 作者:夏目 漱石
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/03
- メディア: 文庫
前のブログにも書きましたが……
中学生のとき以来に読んでの夏目漱石。
ここで、中学生のときに読んだ感想をちょっと振り返ってみようと思う。
とにかく当時は読んでいるこっちまでもがブルーになっていた。
「先生と私」の書生である私と先生との交流では、先生の淡い水彩絵の具のようなブルーのオーラがある人だなと思った。
思春期で、色んなことに憂鬱を感じていた中学生の私は、そんな先生と自分の姿を勝手に合わせて、先生が魅力的な人に感じていた。
次の章の「私と両親」は、お金、家族、裏切りと言った内容だが、中学生の私はまだ、誰かに裏切られたという経験がなく(もしあったっとしても、今の私からたかが知れているものだし)、ましてや遺産相続という問題にも今だって当たったことがないので、当時の私にはここの章はまるで記憶がない。
「先生と遺書」では、とにかくKの自殺がショックだった。
先生が今の妻であるお嬢さんと婚約してしまい、Kはその失恋のショックで自殺してしまった。
中学生の私からしたら、かなりショッキングな内容だ。
と以上が中学生のときに初めて読んだ感想。
今、読み返してみると中学生にはかなり難しい内容のような気がする。
特に「私と両親」のところは。
確か、「こころ」は中学の推薦図書だったような気がしたのでとりあえず読んでみた気がするのだが、この内容を理解できたり共感できない私が幼いのか……。
そして、現在の私が読んだ感想。
まず初めになんでこれを手に取ったのかというと、kindleで無料という理由もあるが、その前に夏目漱石の「明暗」を読んでいて、夏目漱石の文章ってあっさりしていて読みやすく、登場人物のせりふも何気ない日常のことばかりだけれど、読んでいるこっちがはっと思わされるような、演劇を観ているようなせりふが多くて、なんだか魅力的だなと思った。
そこで、夏目漱石をもっと読んでみたいと思った。
Kも先生も自殺するというオチを知っているので、次に読むときはきっと違った発見ができるだろうと思い、また読むことにした。