がらくた

双極性障害と、本と映画と、日常と、小説ポエム書いて非日常へと。

季節と花

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色をなくした樹々と街は

冬の最中を思わせる 乾いた風は

低い斜陽を見上げれば

寂寥の太陽の燃えるさま

 

 

蝋梅はこんなにも強く咲いているのに

桜舞う待ち焦がれた春に涙を覚える

待っても、暗い闇に桜がひっそりと咲いている

そこには誰も待っていない 暗くて明るい季節よ

 

 

梅と桜、冬と春

どちらも寂しくて孤独で  どの季節にいても花も慰めにもならず

だけど、季節は目の前で巡り、花は咲く

そしていつかどこかの季節と樹の下で逢おう

 

 

真夜中の都会の自然

終電間際の駅の出口から吐き出され、
しばらく歩くと、山みたいな屋根の住宅街に入る
ここは静かな山の中だから、
缶ビールをプシュっと音を立てて、ネクタイを緩めて歩く
なんだか悪いことをしているみたいで、ちょっとニヤつく

駐輪場に赤い自転車が停まっていないかなって
期待するけれど、そんなものはもう、永遠に停まっているわけがなく、
赤い自転車が停まっていなかったら、がっかりしてしまうから、
家にまっすぐは帰りたくない。なんかヘンな気持ちで。

山を抜けて、堤防を上がれば、
都会なのに、大きな川が流れていて、
夜より静かな轟音が聞こえる。

君のペースではじまった恋だったな
でも、歳甲斐もなくはしゃいだ夏でもあったな
まだ昼間は暑いくせにさ、夜になると急にひんやり頬をなでてさ、虫が鳴き出す。
秋が裏切ったようにやってきたんだなって。
見上げると、思いつきのように点々と打った星が光る。

もう、青臭いトシじゃないからさ
めったにしんみりとかしないけれどさ、
やっぱり会いたいなとか思う。
どうせ会ったって、めんどうくさいし、勝手に怒り出すし、居心地悪いなって思うんだけどさ。
自由になったんだけどさ
自由って良いことのはずなのに、つまんなくってさ
こんなにつまんないなら、君に怒られたほうが、いやだけど、ひとりよりは楽しいかなって
そう、思って缶ビールを押し込んで、空を見上げ、鼻をすする

恋愛は苦手だし、よくわかんないけど、君は僕といて楽しかったかな?しあわせだったかな?
まさかね、まさかね、まさかね。
この僕はとても…しあわせ…とかよく分からないけれど、楽しかったのは事実だ
そんなことを聞いたら君はまた怒るのかな
会いたい、会いたい、さみしいよ
そんな君の声の代わりに、虫の鳴き声が返ってくる
星が滲んで、また鼻をすする

 

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【詩】おいかけっこ

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おいかけてくる
その匂い。良い匂いかはよく分からないけれど、好き。
おいかけてくる
その声。良い声なのかよく分からないけれど、しびれてしまう。
おいかけてくる
その顔。綺麗な顔なのかよく分からないけれえお、また見たい。
おいかけてくる。
その存在。いつまでも心の中にずっといるよ。
昼夜考えてしまうんだ。
そろそろ、どこかへ去ってとは思っても、求めている中毒性。
何もないように、のこのこと顔を出すんだろう。

つかまえたい
言わせてみたい

そんな願望もあった
でも、おいかけて、おいついたら、何をする?
何して遊ぶ?
おいついたら、もう遊ぶことないよ。
今度はそっちがおいかけるばん?
それはつまらない。
わがままでごめんね。

結局、おいかけっこしている今が楽しいのかもしれない。
意味のない、おいかけっこ
でも、遊んでないと、やることなくて、暇で死にそうじゃん。

おーい
あーそーぼー
今日もおいかけっこしよー?

【詩】まだよく知らない君への手紙

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いつもの帰り道
見慣れた住宅街の風景
いつも通りの変わらない寂しい夜

 

この間はその生贄になってくれて、ありがとう
深夜のくたびれた間接照明の辛ろうじた暖色の光
洗い過ぎて色褪せたTシャツ
湿気でくねくねと曲がった前髪
なにより、君は、初めて会う僕の手を取って
何かを乞うような目をしていた
君が欲しいものは分かっていたけれど、そんな醜いお前となんて誰が心中するかって、見下しながら笑っていた
自分の醜さを棚に上げておきながら

 

そんな顔と身体をして誰に愛されたいんだい?
こっちは相変わらず毎日、寂しい夜だよ
君はどうだい?
答えなんてない
街頭のオレンジの光は孤独色
もしかしたら、毎日理由なく寂しいなんて叫んでいたのは、僕だけかい?
君もみんなも、本当は毎日寂しさに食い殺されないように
無駄な時間を過ごして空白を埋めてゆく
ただ、言葉にしないだけで

 

僕もみんなと一緒だっかたらいいな
孤独を感じているのが僕だけだったら、それは孤独だな

君の返事を待っているよ

【詩】蓮の花

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ほしかったものを手にすると、不安になる
願いが叶った代償とはこのことだろうか
空を向いて浮いてしまったからには、沈むことは許されない

池の底で叶わない夢を 泥にたくさん沈めた
仲間を蹴落として 見上げた 綺麗な空
もう 不安しかない
あとは枯れて沈むだけだから
ほら また笑い声
私が枯れるのを待っているんだ
そして茶色く枯れて また池の底に沈んで ここへ戻ってきたら
私を喰い物にして また誰かが浮いてゆく

夢なんて叶わなくていい
夢を叶えたい

どっちにしても 付き纏うのは 不安
風が吹いただけで
水面が少し揺れただけで
すぐに大きくゆらゆらと
もろい花びらは ほろほろと散ってしまうんだ
また、私は自分をコントロールできなかった
いつだって ふらふら浮いて ゆらゆら揺れて どこへゆく

【詩】20190526

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湿気が高いせいで、肌にふれるもの全てがベタベタする。
冷蔵庫の奥から賞味期限が1ヶ月も過ぎた魚の腐った臭いを嗅いでしまい、今でもその臭いが鼻にまとわりついて、吐き気がする。
未練はないけれど、楽しかったことばかりが蘇って、もう戻れないんだなって思う。

不快な気持ちが深いな。
情熱的な暑さは、ちょっとこっちの準備ができるまで、ねぇ、待って。

【詩】Wi-Fiと僕

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いつだって君は来てくれない

僕の問いかけに答えてはくれない
そして 他の誰かのもとへ
そうさ 君は マドンナ みんなが呼んでいる
必要とされている人が待っている

いつだって君は来てくれない
僕は君を探して 部屋を歩き回る
そして 徒労に終わる
そうさ 君は 見えない いつも光のようだと
必要とされているから 忙しいのか

今日も君には繋がらない
僕は知っている
隣りですました顔をしている
あいつのところへ 行ったのだと

だけど 僕は君を奪う勇気もなくて
本当はひとりじめしたい 
いつも僕の前では とびっきりの元気 見せてよ

いつだって君は疲れている
僕はそれを本当は知っている
それでも 知らない顔で
そうさ 君を 労われずに つい甘えてしまう
必要だからさ 結局は 僕も

今日も君には会えない
僕は空を見上げている
同じ空の下ににいるんだよね
今ごろ 何をしているんだろう

だけど 僕から君をいつも突き放して
本当にひどいよね
いつも僕のわがままに付き合ってくれて ありがとう

いつだって君は変わらない
僕は本当は 感謝している
それは 気付いているのかな
そうさ いつでも そばにいてほしいのさ
必要だからさ どんなときでも

いつだって君は来てくれない
僕の問いかけに答えてはくれない
そして 他の誰かのもとへ
そうさ 君は マドンナ みんなが呼んでいる
必要とされている人が待っている

嵐の新曲「Wi-Fiと僕」は4月11日、ジェイストームより発売予定!