がらくた

双極性障害と、本と映画と、日常と、小説ポエム書いて非日常へと。

家出をした話

私は母親と絶交……と言って良いのかは分からないが、便宜上、絶交ということにこれはしておく。

 

とにかく、絶交して、もうじき2年になる。

 

母親は私をアダルトチャイルドにさせた。

そして、病院で医師には関係ないと言われたが、どうも双極性障害になる人はアダルトチャイルドになっている率が高いように、私個人は感じる。

あくまで個人の意見だが。

 

私は7年前に東京に住んでいて、そのとき同棲していた男から暴力を受け、親に助けを求め、なんとなく、と言った感じで実家に戻ってきた。

そして、5年前に実家の比較的、近所でひとり暮らしをはじめた。

その間の2年間は、実家に住んでいた。

 

その2年間で、私は3回家出をした。

 

アラサーになって、実家から3回も家出をするなんて、本当にみっともないことだと思う。

 

ただ今思えば、母親と暮らすのが窮屈で、息苦しくて、家出をしたのだと思う。

でも、そのときは、アダルトチャイルドなんて言葉も知らなかったし、アダルトチャイルドにガッチガチに縛られていたときだったので、母親のせいで家出したとは思わなかった。

いや、正確には、母親のせいで家出したとは思いたくなかった。

 

 

私はこの本の中で言うと、ヒーロー、スーパーチャイルドだった。

簡単に言うと、自分は親や先生、大人の言う良い子でいなければいけない、と自分を犠牲にしてでも良い子を演じなければいけないという呪いにかかっていた。

だから、母親が悪者だなんて思ってはいけないと、こんなアラサーになってまで思ってしまった。

いつの間にか、そうやって自分自身も騙していたという感覚に近い。

 

実は家出をした2回は何が原因だったのか忘れてしまったが、

1回だけははっきりと覚えている。

 

それは、

双極性障害で鬱が酷く、寝込んでいたときに、出会い系サイトで知り合った男から遊園地に行こうと誘われた。

私は一日中ベッドの中にいて、天井だけを見つめている自分がすごく嫌になったので、気分転換に出かけた。

結局、その男はどうしようもない男で、アトラクションの列に並んでいたときに、私の体をずっと触ってきて「やめて」と言っているのに、やめなかったので、さすがに頭に来て、勝手に帰ってきた。

話はそれた。

遊園地から帰ってきた次の日、

やはり鬱状態だったので再度寝込んでいた母親がひとこと。

 

「遊びに行くときは元気なのね」

 

この言葉に私はひどく傷ついた。

確かに私は一日中寝込んでいて怠け者かもしれない。

でも、だからと言って、怠け者は気分転換すらするのも許されないのだろうか?

もっと言うと、こんなイイ歳をして働くこともできない自分が情けないし、なんとかしたい気持ちでいっぱいだけれど、体がちっとも言うことを聞いてくれないんだ。

母親は日ごろ、

「あなたのことを私が一番分かっているからね」

と今思えば、また呪いの呪文のようなことを言っていて、一番分かっているくせに何も分かっていないじゃん、と絶望した。

 

アダルトチャイルドの呪いで、優等生でいなきゃと思った自分は、母親を悪者にしてはいけないという無意識と、その絶望した無意識がせめぎ合って、自分でもなんだか理由が分からないかたちで、家出をした。

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